PV-CCケーブルとPV-CQケーブルは、いずれも定格電圧1500V・定格温度90℃という電気特性を共有し、対候性に優れハロゲンフリー設計(塩素ガス非発生)という環境適合性を備えている。しかし、両者の根本的な差異はシース(外被)素材にあり、これが以下のように運用性能を方向づける。
1. シース素材の化学的性質
PV-CC:
シースに架橋ポリエチレン(XLPE)を採用する。分子鎖が柔軟なため、ケーブルに高い曲げ柔軟性と衝撃吸収性を付与し、加えて、素材の透明度が高いため内部導体の視認性に優れ、施工時の損傷チェックが容易である。耐薬品性・耐熱性も基準を満たしますが、機械的強度では後述のCQに一歩譲る。
PV-CQ:
シースに架橋ポリオレフィン(XLPO)を採用する。ポリエチレンより分子密度が高く架橋度が強いため、引張強度・耐摩耗性が顕著に向上する。特に太陽光パネル周辺でケーブルが架台や地面と接触する環境では、摩擦による外被劣化を抑制する。さらに耐熱性(長期熱安定性)と耐薬品性(酸・アルカリ耐性) がXLPEを上回り、過酷環境下での耐久性を追求する用途に最適である。
2. 実運用における性能差の具体例
| 性能項目 | PV-CC(XLPEシース) | PV-CQ(XLPOシース) |
| 機械的強度 | △ 柔軟性重視(衝撃吸収◎) | ◎ 高強度(耐摩耗性・引張強度◎) |
| 耐熱性 | ○ 90℃連続使用可能 | ◎ 高温環境下での変形耐性↑ |
| 耐薬品性 | ○ 標準レベル | ◎ 化学薬品曝露環境に優位 |
| 視認性 | ◎ 透明度高(内部確認容易) | △ 半透明~不透明 |
| 適正環境 | 屋根上施工(柔軟性要求) | 地面設置(耐久性要求) |
例示:
l 住宅屋根上の複雑な配線経路では、PV-CCの柔軟性が小半径屈曲を可能にし施工性向上に寄与
l メガソーラー用地や沿岸部(塩害・薬品影響)では、PV-CQの高耐久性が経年劣化リスクを低減
3. 選択指針:特性と適用環境の最適化
両ケーブルの選定は「設置環境のストレス要因」によって決定される:
l PV-CCが適するケース:
冬季の低温環境(-40℃対応)、狭小スペースでの屈曲施工、内部導体の可視監査が必要な保守設計。柔軟性を活かし、振動が発生する可動部への適用も有効である。
l PV-CQが適するケース:
砂塵・塩分・化学物質に曝される過酷環境、ケーブルが地中やコンクリートに接触するルート、鳥獣(齧歯類)の噛傷リスクがある地域。XLPOシースの高強度が物理的ダメージから系統を防御する。